【書籍紹介】今後のエンジン開発は“過給”が主要テーマになる…『博士のエンジン手帖3』

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フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン問題が世界の自動車業界を揺るがしていますが、この騒ぎの渦中で注目の新刊が発売されました。『博士のエンジン手帖3』(三栄書房)です。この本は、自動車のエンジン・パワートレーン研究の第一人者であり、先日e燃費の車種別実用燃費データ分析レポートをレスポンスに寄稿いただいた畑村耕一博士の著書です(編集は『モーターファン・イラストレイテッド』の世良耕太氏)。

取り上げられているエンジンはスバル『レヴォーグ』に搭載されている「FB16DIT」や日産『GT-R』の「VR38DETT」から、マツダ『デミオ』『CX-3』のクリーンディーゼル「S5-DPTS」など、29種。「高効率エンジン開発の主要テーマは、“燃焼”ではなく“過給”に移行する」という視点で各ユニットを一刀両断、「褒めるところは褒め、けなすところはけなす」という博士ならではの軽妙な語り口で綴られています。

また単にエンジンの技術論のみならず、今後一層厳しくなる燃費/排ガス規制やWLTPの導入、発電インフラの課題など、社会的な問題を視野に入れながら自動車のエンジン開発の潮流を読み解いていることも本書の面白さ。エンジンの専門家や技術者ならずとも楽しく読める1冊に仕上がっています。

【公式サイト】モーターファン・イラストレーテッド特別編集『博士のエンジン手帖3』

【ご参考】畑村エンジン博士のe燃費データ解析(レスポンス)
第1回 実用燃費から読み解く、ガラパゴス日本の「ハイブリッド」と「CVT」
第2回 日本だけで進む自動変速機のCVT化とその理由
第3回 日欧の走行環境の違いが生んだ、パワートレーンの選択
第4回 日本と海外でカタログ燃費の計測モードが異なる理由とは?
第5回 日本のガラパゴス化の要因は10・15モードにあった

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